小諸市耳取区の彌美登里(みみとり)神社で8日に開いた例大祭で、古式砲術の奉納が行われた。耳取地区は江戸時代に火縄銃の生産が盛んで、神社でも射撃や火薬の実験をした記録が古文書に残っている。
奉納したのは松本市の「松本藩森重流砲術保存会」(市川恵一代表)の4人。地区で生産された市川さん所有の火縄銃を使い、正座した姿勢で打つ「礼射」や同時発射、連続発射を披露。集まった人は、火薬の爆発する音に驚きながら迫力ある演武に見入っていた。
古式砲術の奉納は昨年に続き2回目。曾祖父の代まで火縄銃を作っていた吉澤壯夫さん(81)は、「鉄砲ゆかりの地として地元で火縄銃を扱える人が出てくれればうれしい」と話していた。