マルイ産業 試験養殖開始
来年用の親魚確保目指す
〇…小諸市菱野の遊休田で、淡水魚「モロコ」の試験養殖が始まった。京都の料亭では高級食材として知られる魚だが、市内での養殖は初めて。「コモロ」と「モロコ」を掛けた小諸の新しい特産品として白羽の矢が立った。26日には、菱野の遊休田約80平方㍍の池に幼魚1万匹を放流。順応性が高い魚のため、サギなどの鳥から守る網を掛ける程度で育てていく。順調に行くと、秋には10㌢ほどに成長した成魚が水揚げできるという。
〇…養殖を行うのは、家畜や観賞魚、養魚用飼料の製造を手掛ける和田のマルイ産業(伊藤辰治社長)。「モロコの飼料は作るが養殖は初めて」という中で、今シーズンは稚魚から成魚に育て、来年用の親魚を確保することが目標だ。市や商工会議所もこれに着目し、埼玉県の養殖場見学や、市内の飲食店でモロコ料理の試食会などを重ねてきた。
〇…伊藤社長は、「今シーズンの様子を見れば、新名物の可能性が見えてくる」と期待。塩焼きや煮物、唐揚げなどコイ科の魚では「特に美味」とされ、本場の琵琶湖で漁獲される魚の中では最も高価で、1㌔当たり2~3千円。佐久地方の子ブナ以上の値が付くことから、養殖に適すると判断できればかなりの“うまみ”があるとみている。

モロコ放流

養殖池での放流作業。「心配なのはアオサギなどの鳥類」という