佐久地方の元々は男子高、女子高だった高校の男女生徒数が徐々に平均化されつつある。この地域の公立高の様子を見てみると―。

野沢南高の新入生
男子が多い年も
昭和50年に男女共学になった野沢南高校は元女子高。伝統的に女子生徒が多い学校だが、平成25年度の新入生が男子104人、女子98人と、共学になってから初めて男子生徒の数が女子を上回った。同校同窓会の中島瑞枝会長は当時、「南高で学びたいという男子が増えることは大変喜ばしいこと」と話し、「男子パワーで部活動もより活発になれば」と、男子生徒の増加を歓迎した。
30代半ばの野沢南高卒業生に話を聞くと、「当時、1クラス10人程度は女子が多かった。生徒会役員も女子の割合が高く、元女子高を感じさせる場面はあった」という。女子生徒の制服だったセーラー服に憧れて、同校に進学したという卒業生の声が聞かれたこともあったが、その制服も平成15年に廃止。「今の若い世代には、女子高という認識は薄くなっているようだ」との声も。
男女ほぼ半々の野沢北
理数科は男子多
元男子高だった野沢北高は、昭和25年に男女共学に。以降、男子生徒の数を女子が上回った事はないが、それでも「現在は、男女ほぼ半々といったところ」と同校。ただ、同校には定員40人の理数科があり、こちらは「2対1で男子が多い」という。
一方、元女子高だった小諸高は未だ女子生徒が多い傾向。同校には音楽科があることから、「その影響もあるのではないか」。また、平成27年に開校した佐久平総合技術高は、農業科や工業科があるせいか、女子生徒に比べ男子生徒が多い。
数での男女差比較
「していない」
各校の反応を見る中で、「生徒数をあまり“男女差”という観点で比べたことがない」と話す学校も。意識の中でもその差は埋まりつつあるようだ。

公立高(全日制)生徒数
高校名 男 子   女 子     計
蓼 科 195   105   300
望 月 95     61    156
小諸商 218   247   465
小 諸 246   413   659
軽井沢 152   143   295
佐 総 480   330   810
岩村田 291   308   599
野沢北 324   283   607
野沢南 261   347   608
小 海 164   147   311
(※県教委発表 5月1日現在)