桃の出荷が最盛期を迎えているが、東信地域で唯一「桃狩り」が楽しめる農園が小諸市和田の「大森園」だ。今シーズンの桃狩りは7月13日からスタートしており、8月11日(土)まで行う予定だ。
実は小さいが「糖度は高い」
同園はリンゴなどの栽培も行っており、大森章生さん(76)と妻のさと子さん(76)ら家族で経営。この時期は、「ちよひめ」「日川白鳳」「あかつき」「おどろき」など多様な品種の桃の栽培を手掛けている。
桃狩りを始めたのは10年程前からで、「以前は収穫時期が1週間から10日程遅かったが、天候の影響で年々早まっている傾向。特に今年は早い」とさと子さん。また、6月にヒョウ害にも遭い、「例年に比べ実は小さいが、糖度は高い」と味には太鼓判。
「指で押さないで」注意するも…
東信地域に桃農家は多いものの、桃狩り行う農園がないのは「リスクが大きいため」。趣向にもよるが、多くの人が完熟した柔らかい桃を好むといい、「注意を促すものの、桃狩りの際に指で実を押して固さを確認する人が多く、押した部分から傷みが進み、処分せざるを得ないケースも多い」と話す。それでも桃狩りを続けるのは、「毎年楽しみに足を運んでくれる人がいるから」。
台湾、中国…増える外国人客
県外からの来園客が多く、取材日(16日)も「インターネットで農園を知った」という東京の家族連れが来園。もぎたてを口に運び、「特に固い桃が味が濃くておいしかった」と満足した表情。
また、最近は外国人客も増えているといい、先日も、成田空港から直行で訪れた中国や台湾からの団体客を迎えた。「外国人客は写真を撮るのが好きなようで、食べるよりも桃を熱心に撮影している」との様子を話しながら、「特に外国の人は、“指で押さないで”と注意しても遠慮がないのが悩み」とさと子さん。それでも、「“おいしかった”の言葉が励みです」。

【桃狩り】   午前の部は9時半から11時まで。午後の部は1時半から4時半まで。  食べ放題(時間無制限)で、入園料は小学生以上1830円、園児以下910円。前日までに予約が必要。問い合わせは同園(電話0267・22・4308)。

【桃狩り】
午前の部は9時半から11時まで。午後の部は1時半から4時半まで。 食べ放題(時間無制限)で、入園料は小学生以上1830円、園児以下910円。前日までに予約が必要。問い合わせは同園(電話0267・22・4308)。

売店には販売用の桃や桃ジュースなども並んでいる

売店には販売用の桃や桃ジュースなども並んでいる