佐久市湯原の湯原神社で、江戸時代から260年余り前から続くとされる伝統の「湯原神社式三番」は、29日(日)午後1時半から、湯原神社境内で奉納される。本番に向け、式三番の役者を務める同地区の若手による練習が7日に始まった。
式三番は毎年9月の最終日曜日に行っている。舞に使う面の箱に張られた紙に宝暦4年(一七五四)とあることから、この年に始まったとみられる。昭和56年には県重要無形民俗文化財の指定を受けている。役者は翁役や笛、鼓など11人。役者とは別に、湯原の7地区から集まった14人で作る保存会(平林初男会長)も組織し、地区に伝わる伝統行事を守り続けている。
今年初めて役者を務めるという人もいるが、役者を務める若手の多くは昨年以前にも参加しており、新たに動きを覚える必要がほとんどないという。それだけに、初日の7日は、まず約1時間の舞を一通り演じてみて、直すべき点がないかチェックするところから始まった。
それでも、舞の中で注目を集める翁や千歳、三番叟を演じる人の中には、出番の前に何度も舞の動きを確認する姿も見られた。平林保存会長は「時代は令和になったが、区の若手がしっかりと伝統を継承している姿を、ぜひ多くの人に見てほしい」としている。