日展会友の書家・茂原松華さん(83)=佐久市跡部=の教室生で作る華重会(はなえかい)は5日、50回目の忘年会を佐久グランドホテルで開き、25人が参加して節目を祝った。
茂原さんは、長野市在住の書家・一色白泉さんに師事。「人が気軽に集まり、学び、人と人を結ぶ“公民館”の役割が担えれば」と20代で教室を開いた。現在は自宅をはじめ野沢、中込、南佐久の公民館などで、小学1年生から90代までを指導。4世代に渡って茂原さんから書を学んでいる家もある。
教室発足当初から子ども向けに七夕やクリスマス会など季節ごとのイベントを行っていたが、「練習日が違うと顔を合わせる機会がない」という大人たちの声に応え、その年の公募展入選者や師範認定者の祝賀を兼ねて忘年会を開くようになった。
入会して50年余りの奥原えい子さん(84)=佐久市桜井=は、「誰にでも公平に指導してくれる先生。月3回ほど教室に通っているが、楽しみ」と話していた。
茂原さんは「師に恵まれ、弟子に恵まれたことに感謝。弟子たちの入賞入選は指導の励み」と言い、「ワープロなどの普及で手書きは減っているが、書芸を楽しみ、次世代につなげてほしい」と願っている。この日茂原さんは、水墨画で来年の干支ネズミを題材に描いた色紙を参加者全員にプレゼントした。