佐久市下越区(川妻千将区長)は28日夜、昨年10月の台風19号での区の被害状況や当日の対応などをテーブルに乗せ、今後の同区の防災力をあげることをねらいにした総括会議を開いた。区委員や区内8つの常会長、民生児童委員、消防団員、佐久市危機管理課職員など約30人が参加した。
昨年10月の台風で床下浸水18戸、床上浸水4戸、高齢者の避難が4人という状況だった。同区の8つある常会で見ると、ほとんど被害のなかったところから、ほぼ全戸が浸水あるいは停電などの被害を受けた常会もあったという。
同区は、一昨年の西日本豪雨災害を受け、昨年9月に区で初となる水害を想定した防災訓練を実施。訓練からわずか1カ月後の台風災害だったことで、区委員や常会長が連携して自力で避難できない高齢者を避難させることもできたといい、「こうした連携活動は訓練の賜物。訓練の必要性を強く感じたので、今後も継続すべきだ」といった声が多く出た。
川妻区長は「大変収穫の多い会議だった。多くの区民が今回の台風対応の情報を共有できて良かった」と話し、「区役員の任期が間もなく終わる中、区の風土として防災対策の重要性を伝えていくことが大事。下越区は防災力の高い良いまちになると思う」と話していた。
同区はこの日の会議で出た意見を含め、今回の台風災害の被害状況や区民の連携活動、当日の対応などをまとめた「下越区台風19号関連活動の総括」を作成し、区民全体で情報共有を図る考えだ。