佐久市春日の岡部捷二さん(78)が、旧春日村の歴史まとめた『「御鹿の里」物語』を出版した。
本はB6サイズで145ページ。価格は1300円(税抜)。自費出版を予定していたが、東京図書出版からの提案で、共同出版の形にし、500部印刷。費用は約100万円。インターネットなどで販売している。
これまでに岡部さんが調べてきた春日の古代遺跡群や春日本郷の誕生、春日城での出来事などを詳しくまとめている。また、江戸時代の歴史や明治の大合併を経て春日村になった経緯、自分の先祖が移り住んだ経緯なども紹介。現在の過疎化に対する危機感や独自の提案もしている。
岡部さんは昭和45年4月に旧春日村で薬局を開き、今年3月で50年を迎えた区切りで廃業した。「年を取ると早起きになる。温かい時期は山菜取りなどに精を出していたが、冬場はやることもないので調べた歴史をまとめ始めたのが出版のきっかけだった」とし、「歴史の資料などを託してくれた仲間も多く、やっと形にできてうれしい」と話す。「次のテーマも決まっていて執筆も順調。山奥にある城跡の現地調査をしている」と意欲に燃えている。