佐久市野沢の祇園祭は、コロナ禍でみこし練りなどは中止となったものの、老朽化していた本みこしの完全修復が終わったことから、26日に完成奉告祭と疫病退散祭を開いた。氏子総代(加藤正夫総代長)や祭事係、地域住民などが集まり、新型コロナの早期収束を願った。
祇園祭では、本みこしが地区内を練り歩いてご神体に「悪い気」などを集めることで地域を守るとのいわれがあり、そもそも「疫病を祓うお祭り」と加藤総代長。それだけにみこし練りが中止になったことを残念がるが、輝きを取り戻した姿を見て、「来年はぜひ勇壮な練りを見たい」と期待を込めた。
野沢祇園の本みこしは、中の柱に「文化三年」と書かれていたといい、少なくとも214年前には使われていたとされる。老朽化も激しく、野沢地区の区長会などで「野沢祇園祭保存会」(会長・篠原忠香野沢本町区長)を作り、修繕計画を進めてきた。費用は約330万円で、このうち250万円は宝くじ助成金をあて、このほか各区や区長個人らが寄付した。