佐久市の入沢区(渡辺一夫区長)で9日、防災訓練が行われた。区長を会長とする自主防災会の区役員や民生児童委員、地元消防団幹部ら約60人が参加。水害を想定した避難開始の手順確認、新型コロナウイルスの対応した避難所運営、身近な物を活用した担架作りを行った。 昨年の台風19号災害で、区内を流れる谷川の氾濫で生活道路の市道が流され死者も出た入沢区。現在でも、護岸の復旧工事が真っ只中の状況にある。訓練は、入沢区をはじめ地元4区の指定避難所となった青沼小行われた。 同区の防災訓練は今回で10回目。市内でも防災に対する意識は高く、昨年の台風でも避難所開設をいち早く準備していた。尊い命が奪われたものの、区民からは「自主防災の動きが遅かったら、もっと悲惨な事態になっていたかもしれない」との声も多い。 渡辺区長は、「大きな被害を受けた区だからこそ、こうした訓練がますます重要になっている」とし、「入沢区の経験を市内全区の今後の取り組みに役立ててもらえれば」と話していた。