佐久市上塚原の今井統重さん(79)は、盆栽、仏画、美人画、篆刻…と幅広い趣味に挑戦し、退職後の人生を充実させている。特に20年来続けている約250平方㍍の庭作りは、「我ながら見事」と自慢するほどだ。
今井さんは、岩村田高を卒業後、旧御代田精密に入社。昭和47年に時計修理技能士の国内第一号に認定された。手先が器用で、若いころは、ラジオやテレビも作ったことがある。
様々な分野の展覧会に出かけ、作品を見ると自分もやってみたいと考える「何事にも関心を持って挑戦する」性格という。
これまで水墨画、美人画、仏画などを手がけたほか、通信教育で書道を学び、「香雲」の雅号も持つ。
庭園は、退職時に家を建て替えたのを機に、五葉松や黒松など50本の苗を植えたり、小型バックホーも買って造成するなど自身の手で整備を始めた。退職後の平成13年には庭園管理士の資格も取得している。今は、手間暇かけて作り上げた自慢の庭で遊ぶ孫たちの姿に目を細める。
8年前からは七福神の絵画に挑戦。表装まで含め縦2㍍以上の作品を年1枚ずつ仕上げ、昨年1月に最後の7枚目を完成させた。「今まで文化祭などで1枚ずつ展示してきたが、全部飾るには大きなスペースを借りないと難しい」と笑う。