小諸市氷区にある「氷風穴」が広く注目を集めている。平成29年9月に小諸市で行った「風穴サミット」以降の同年10月からカウントを始めた来場者は、5月8日までの3年半ほどで9768人。間もなく1万人を突破する勢いだ。
平成26年度に、県建築士会佐久支部が信州大学生と共同で行った調査で氷地区をテーマにしたのをきっかけに、地域の人を巻き込んで保存会を発足。県の元気づくり支援金を活用して駐車場を整備したり貯蔵小屋を新築するなど、徐々に活動を広げてきた。
その甲斐もあって来場者は年々増加。昨年度当初は新型コロナの影響でやや減少したが、盆に行った花市がテレビで紹介された辺りから一気に増え、最終的には3542人と過去最高を記録。「氷風穴の里保存会」の前田富孝会長は「テレビ放送の影響は大きかった」と振り返る。
前田会長は「氷区民からすると、風穴はあって当たり前のものだったが、外部の人が注目してくれたことで改めて貴重なものなのだと実感している」といい、「氷風穴」をブランド化しながら、「歴史的遺産として後世に伝え継ぐ」ことが、今の保存会の将来ビジョンでもある。
今後の課題は、元気づくり支援金などの補助金に頼らず維持管理費を捻出すること。帽子などのグッズ販売などに加え、収益につながる事業の展開も検討している。