小諸市与良出身で横浜で暮らす鬼久保洋治さん(75)は、小諸市の布引観音を歩いて参拝する人に「自由に使ってほしい」と、竹や木材など間伐材を加工した杖約30本を手作りし、16日に釈尊寺へ奉納した。
昨年の秋、鬼久保さんのボランティア仲間の大越哲朗さんがテレビで小諸市氷区の「氷風穴」が紹介されたのを見て、鬼久保さんと共に見学しようと足を運んだ。その際、布引観音を参拝したところ、歩いて登には斜度も急で「杖があれば助かる人も多いのでは」と考えた。
鬼久保さんらが取り組むボランティアは森の環境保全グループで、活動の際に間伐材を活用した。風穴を見学した際に現地を案内した、小諸風穴の里保存会事務局長の前田重雄さんの紹介もあり、作った杖はきちんと釈尊寺へ奉納。釈尊寺は近くまで車でも行けるが、鬼久保さんは「やはり下から登って参拝するのが良い。多くの人に杖を有効利用してもらいたい」と笑顔を見せた。