佐久市跡部区に伝わる国の重要無形民俗文化財「踊り念仏」は3日、同区の西方寺で開いた。コロナ禍のため2年連続の無観客での開催となったが、保存会メンバーは伝統の踊りを堂々と披露した。
鎌倉時代の弘安2年(1279)、時宗の開祖・一遍上人が善光寺参拝した帰り道に佐久市を訪れたのを機に始まったとされ、740年以上にわたって伝わる行事。戦時中にいったんは中断されたが戦後に再開され、今年は再開から70年の節目となった。保存会の廣岡豊会長は、「中止してしまうと伝統がしぼんでしまいかねない。無観客でも開催できて良かった」といい、「コロナ禍が収まるよう願いを込めた」と話した。
同念仏を含め、現在全国の様々な伝統行事を伝える43団体が共同で、国を通じて世界遺産への申請をしているといい、今年の11月頃には結果が出るという。