佐久市内山の正安寺(塚田雅俊住職)で、京都を拠点に全国で活動する「ふすま絵プロジェクト」(福井安紀主宰)の絵師3人が合計100枚に及ぶふすま絵を制作している。現在の進ちょく状況は「3割程度」(福井さん)といい、夏ころまでに完成させようと筆を走らせている。
同寺は平成25年に大幅に改修。新しく入れ替えたまっさらなふすまに、「日本文化の一つでもあるふすま絵を描き、寺として広く発信したい」と考えた塚田住職が、SNSのツイッターを通じて交流があった日本画家の福井さん(51)に依頼した。
福井さんは、「江戸時代の絵師のように気軽に依頼を受けて、気軽に描くという活動が、現代でも可能なのではないか」との思いから、平成28年に同プロジェクトをスタート。その後、同じく日本画家の武田修二郎さん(45)、現代アートの木全靖陛さん(45)も仲間になり、年間15件ほどの依頼を受けて活動している。
描く絵は、塚田住職と打ち合わせて決めていったが、法堂(本堂)のふすまには、現在のコロナ禍やウクライナ情勢を大きな波に見立て、これを乗り越えていこうとの思いを込めて荒波を描いた。また、部屋によって梅の花や浅間山などをモチーフにしている。福井さんは、「地域で暮らす人が、将来誇りに思えるような作品にしたい」と話していた。
同寺は、ふすま絵の完成した後に拝観見学会も計画している。