小諸市の氷風穴周辺に自生する草木を見て回る「植物観察会」は10日に開き、約50人の参加者が散策も兼ねて植物との出会いを楽しんだ。
御牧ケ原台地から千曲川に至る複雑な地形にある氷風穴の標高は約620m。周辺の雑木林には、北海道に多く見られるオヒョウや、「氷河期の生き残り」とされるハヤザキヒョウタンボクなど絶滅危惧種に指定されている植物が自生している。
当日は、自然観察インストラクターの柴平志保子さん=赤坂=の説明を受けながら、開花の見頃を迎えたオヒョウやアズマイチゲなどの植物を熱心に観察した。
地元の「氷風穴の里保存会」(前田富孝会長)が主催し、毎年植物の開花時期に合わせて開いている人気のイベント。会長の前田さんは、「観察会を通して、珍しい植物を育む風穴に関心を持つ人も多くなっている」と話していた。