西洋タンポポに押されて、見ることが少なくなった日本タンポポの群生地が佐久市中込にある。植物の観察や保護活動を行っている「日本の野草を愛でる会」(中澤重和会長)の会員らが19日に現地で200株を超える群生を確認。「こんなところに群生しているとは」とビックリしていた。
群生地を見つけたのは高山植物などを中心に草花を愛好している林卓子さん(75)=中込=。15年前に自宅近くの土手で偶然見つけた。林さんは20年程前に高瀬地区でも見つけたことがあるが、開発が進み今は無くなってしまったという。このため中込の群生地は人には話さず見守ってきた。
「日本の野草を愛でる会」の活動を佐久市民新聞で見て、今回、日本タンポポの群生をきちんと確認してもらおうと連絡をとった。現場を見た中澤会長は「少し離れた場所には西洋タンポポもあり、この場所だけしっかり群生しているのは不思議。条件が良かったためか分からないが、本当に珍しい」と喜ぶ。林さんは「荒らされるといけないので、詳しい場所は教えられないが、これからも外来種に負けずに育つ姿を見守っていきたい」と話している。