小諸商工会議所青年部は1日夜、千曲川にかかる小諸市古城の戻り橋近くで、「戌の満水小諸八朔燈籠流し」を開き、5百基の燈籠をそっと川に流した。戻り橋上には、流れる燈籠を見ようと40人ほどの人が集まり、幻想的な光景を楽しんだ。
同部が平成26年に制作した「小諸かるた」に、「伝え継ぐ 戌の満水 墓参り」という詠み句があり、この句の絵札が千曲川を流れる燈籠だったのをきっかけに、「絵札にある風景を再現しよう」と計画した。また、寛保2年(一七四二年)に起きた洪水災害「戌の満水」で犠牲になった人への供養の気持ちを込めた。
用意した燈籠は、水溶性の紙を使って作ったもの。当日の午後6時半、同部メンバーが戻り橋のやや上流の川岸から燈籠を流すと、ロウソクの灯りが揺らめく燈籠が、列を作ってゆっくりと川を下った。発起人の村松丈徳さんは、「故人を偲ぶだけでなく、コロナ禍やウクライナへの軍事侵攻といった社会情勢も含め、世界平和への願いも込めた」と話していた。
燈籠流しは、送り盆の16日(火)の午後6時半からも行う予定で、5百基を流す。雨天順延。問い合わせは同部(電話0267・22・3355)。