去就が注目されていた柳田剛彦市長(76)=市町=が17日までに出馬を断念したことで、50日余りに迫った市長選の顔ぶれが出そろった形だ。

柳田市長は、地元地区の有力者らに支援を求めながら、ぎりぎりまで出馬の方向で動いていたが、支持組織が固まらなかったことが影響。就任直後に公約を翻したり、副市長を含めた人事で混乱し、4年間の“実績”から再び推す動きがほとんどなかった事情もある。
4年前の選挙戦では、市庁舎と病院併設などの大型事業のあり方が争点となったが、事業の見直しを掲げていた柳田市長が、新ごみ焼却施設建設も含めて180度転換。事実上の「前市政踏襲」に、後援会も1年足らずで解散する事態となった。
一方、人事の面では8ヵ月間空席が続いていた副市長がようやく決まったものの、任期途中の2年で事実上の解任。予定した副市長候補も議会の強い反対で断念し、再び空席が続く事態に。また、就任直後からの市職員幹部のUターン人事や、ここに来ての早期退職を含めたドタバタ劇も続いていた。
大型事業の進め方をめぐり、「市民の声に耳を傾ける」を公約に掲げていた柳田市長。最後の最後は「出ても当選は無理だろう」という市民の声なき声に“耳を傾けた”格好だ。
16日に市選管が開いた事前説明会には、4派が出席。曽根徳隆氏(55)=八幡町=は出馬を断念した。出馬予定者は次の通り。(掲載は五十音順)

 

饗場道博氏(56)=諸=

元小諸市役所下水道課長。在職中に東洋大大学院修了。後援会事務所は与良公会堂(電話0267・24・2330)。
▽昨年9月に市役所を早期退職し、諸区を核にした後援会を発足。ほぼ市内全域を回り、今後はミニ集会を拡大する予定だ。

 

大森豊也氏(39)=新町=

住宅施工会社のセイケンハウス社長。東京工芸大工学部卒。事務所は荒町の美容院跡(電話0267・31・6660)。
▽平日の早朝は幹線道路沿いで辻立ちを展開中。今後、地区単位や子育て世代を対象にした20を超えるミニ集会を計画中。

 

小泉俊博

小泉俊博氏(52)=谷地原=

小泉俊博行政書士事務所代表。駒沢大法学部卒。仮事務所は谷地原の自宅(電話0267・23・8788)。
▽「小諸市長選挙政策集」を作り、これまで出遅れていた支援者の拡大に向けて動き出す。事務所は3月上旬の開設を予定。

 

柳沢柳沢恵二氏(67)=芝生田=

前市教育長。信大教育学部卒業後、上越教育大大学院を修了。事務所は芝生田の事業所跡(電話0267・41・6548)。

▽地元の西小諸、川辺地区を拠点に全市的な組織拡大に向け動いている。近く、六供の食堂跡にも事務所を開設する計画だ。