昨年4月の県議選で、定数4人に6人が出馬する激戦だった佐久市・北佐久郡区選出の4人の県議に、これまでの活動を振り返ってもらった。(掲載は50音順)
今井正子氏(66)4期目=無所属=
選挙区最長の4期目 女性の視点で「もの言える」議員に
佐久市・北佐久郡区の4人中最年長の66歳にして当選4回のベテラン。一貫して子育て支援や教育、福祉について訴え続けてきた。
今期当選後の昨年5月、副議長選に立候補した。「当初はそのつもりはなかったが、第一会派から議長、第二会派から副議長が出ることが慣例のようになっていることに疑問があった」といい、副議長への立候補は、「このままで本当に良いのかとの思いから決断した」という。また、新人で若い議員が増えてきた中、「議場で選挙ができることを知ってほしい」と一石を投じる意味も込めた。
初当選時は田中康夫知事時代。「良くも悪くも県会と知事が激しくやり合っていた時代。議論もやりがいがあったし、政治が変わっていく手ごたえがあった」と話す。
現在は「しっかり議論するというところに至っていない感じ」とし、「議会は追認機関になってはいけないとの思いを強くしている。誰にでもどんどんもの言える議員でありたい」。
小山仁志氏(40)1期目=新ながの・公明=
県議会の流れ覚える一年 一般質問には毎回登壇
佐久市議を辞職して県議に転向。新天地を1年経験し、「4~5百億円の市と9千億弱の県の予算規模の違いを実感した」と話す。また、地元佐久市を気にかける一方、当然ながら県議として県全体を見ることも必要で、「長野県の広さを改めて感じている」。
初当選からの1年は「県議会の流れを覚える1年だった」と振り返る。かつて、柳田清二佐久市長が県議時代に秘書を務めていたものの、「県議という当事者になり、実際に体で覚えることは多い」。
阿部守一知事については、「議会から提起されたことに真摯に向き合っていると感じた。質問には丁寧に答えてくれようとしている」との印象。
一般質問では毎回登壇。人口減少社会の中で「女性の力は大事」と、結婚から出産、育児、または介護という境遇にあっても、多様な働き方ができることの推進などについて積極的に質問してきた。今年度は、「もっと突っ込んだ質問ができるようにしていく」と意気込んでいる。
花岡賢一氏(36)1期目=信州・新風・みらい=
思っていた以上の忙しさ 議会の慣習にとらわれず行動したい
県議選では1万3千票超を得て佐久市・北佐久郡区でトップ当選。寺島義幸前代議士の県議時代に秘書経験があり、県議会を見てきてはいるが、実際に議員となり「思った以上の忙しさ」と話す。
選挙戦時に掲げたのは「政治をもっとシンプルに」。「誰がやっても一緒、何をやっても変わらない―と、県議会が県民に思わせるようにしてしまっている」とし、「一緒に政治に参加しよう」と県民への呼びかけを強めていきたい考え。
また、議員宿舎での出来事や視察移動時など、公務以外の部分で「独自の慣習があると感じた」と話し、「中には本当に必要かどうか分からないものもある。出馬時に志した『県会を変えたい』という意識を持ち続け、慣習にとらわれ過ぎないように動きたい」。
1年間県議として活動する中で、「勉強している人とそうでない人の差がはっきりしている。自分もまだまだ足りない点は多いのでしっかり学んでいく」とし、「県議は挑戦しがいのある仕事です」。
藤岡義英氏(44)2期目=共産党=
自称「知事に一番嫌われている議員」 持ち味は「行動力」 今後も努力
もともと「はっきりものを言える」ことをうたってきた。大北森林組合の補助金不正受給問題が発覚した際、「この問題の知事の責任について、他の人がのどまで出かかった意見も遠慮せず言ってきた」とし、「県政報告などでもよく言っているが、自分はおそらく知事に一番嫌われている議員」と笑う。
所属する共産党県議団は、今期8人が当選。過去最大規模となった。「県議団の一人として、2期目に挑む重みがある」と話す。
初当選した平成23年、選挙前に東日本大震災が発生。選挙活動と並行することに悩みもしたが、福島へボランティアに。以来、年に3、4回は福島へ復興支援に出向く活動を継続。4月の熊本地震の際も、スケジュールの合間を縫って、仲間と1泊2日の強行軍で現地へ支援物資を届けている。
「現場を見ることは何よりも勉強になる」と話し、「こうした行動力が評価されてきたと思うし、今後もしっかり行動して結果を県民に伝えていく」。