自然環境や雰囲気評価
リピーター多いが消費控えめ
「小諸市を知っている」57%―。小諸市が観光行政に反映しようと、昨年秋に行った現状調査で判明した小諸市の認知度だ。年配者の認知度が高い一方、若年層に浸透していない現状が浮かび上がった。
首都圏や名古屋圏、大阪圏のエリアの千人を対象に、インターネットで行った調査によると、認知度は6割近くに上ったが、60代以上が8割近かったのに対し、30代以下は4割を切った。また、昨年9月に実際に小諸市を訪れた約750人に行った聞き取り調査では、60代以上が半数を占めていた。
かつて年間50万人を超えていた懐古園の入園者は、昨年度は19万5千人にまで減少しているが、年配者を中心に人気のある島崎藤村が、最近の若者世代に今一つ受け入れられていない状況など、世代によって温度差がある小諸の認知度を裏付けた形だ。
一方、来訪者は関東地方からが多く、リピーターは7割。「自然環境や雰囲気」「宿泊施設でのおもてなし」「食事の味やボリューム」といった評価が高かった。全体の3割が日帰り客で、一泊二日が5割強となっているが、全国の主要観光圏に比べて滞在期間が短く、過半数が上田市など東信地区の周遊で立ち寄っていた。こうした背景が影響してか、交通費や宿泊費、飲食費、買い物などの1人当たりの平均消費額は約2万1千円で、全観光圏平均よりも1万4千円も低かった。
小泉俊博市長は、「厳しい数字も出たが、それだけ伸び代があると前向きにとらえたい。結果の内容を徹底的に分析し、観光施策に反映していきたい」と話している。