佐久市鳴瀬の千曲川スポーツ交流ひろば近くにかかる「佐久橋」が80年以上ぶりに建て替えられ、新橋が昨年11月から通行できるようになった。現在は旧橋の撤去作業を進めているが、佐久建設事務所は地元地区の要望を受け、旧橋の橋名板を岸野と高瀬の両地区に贈呈した。
旧橋は昭和8年の竣工。80年以上に渡って地域住民をはじめ多くの人に利用されてきた。そんな旧橋の撤去作業を見ていた地域住民が、佐久建設事務所に橋名板をもらえないか打診。佐久建設事務所が「地域で大切に保管してほしい」と寄贈を決めた。
寄贈は14日に両地区で行った。橋名板は漢字表記やひらがな表記、河川名、竣工期日の4種類あり、岸野地区には旧橋の岸野側に付いていた「佐久橋」と「千曲川」、高瀬地区には「さくばし」と「昭和八年四月竣工」を贈った。
岸野地区区長会の木内昌明会長は「放っておけば廃棄される予定と聞いた。歴史を物語る品を受けられてうれしい」とし、同地区の地域コミュニティの場である岸野農業改善センターで保管する。
高瀬地区区長会の大井浩会長は「80年も地域を見てくれていた橋名板は貴重な財産。大切に保管して後世に伝えたい」とした。当面は南岩尾区の公会場に飾る予定だ。