〇…東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県雄勝町の人々を鯉のぼりで元気づけようと、ボランティアサークル「遊子の会」(田中たま子代表)が小諸新聞6月8日号で「家庭で眠っている鯉のぼりを寄付して」と呼び掛けたところ、10日ほどで23セットが寄せられた。「まさかこんなに集まるなんて感激」と喜んでいる。来月中旬に現地に届ける予定だ。
〇…津波で7割近くの住民が仮設住宅へと移り、殺伐とした風景を少しでも明るくしようと、雄勝診療所の所長だった小倉健一郎さんが震災翌年から鯉のぼりを揚げ始めた。しかし、強風や潮風の影響で2シーズンもすればボロボロに。知り合いだった同会代表の田中さんに協力を呼び掛けていた。
〇…きれいにたたんで保管してある鯉のぼりを見て、メンバーは「使わなくなっても捨てられないだけの思い出がしみ込んでいるはず」と想像。すっかり色あせているものが多いが、「寄付してくれた人の温かな気持とともに、雄勝の空で元気に色づけばいい」と願っている。

集まった市民からの鯉のぼりを手に喜ぶ遊子の会のメンバー

集まった市民からの鯉のぼりを手に喜ぶ遊子の会のメンバー