民謡や尺八などの「昭友会」(渡辺昭山会主)会員で、佐久市中央区南の井出喜直さん(79)が、昨年末に東京都で開いた日本民謡協会の全国大会「高年二部」の部で優秀賞を受賞した。「当日はよく声も出て気持ちよく謡えたので、この結果はとてもうれしい」と喜んでいる。
全国大会に出場するには、「長野県・山梨県連合大会」での優勝が条件。渡辺さんによると「全国大会に出ること自体がすばらしいこと。出たいと思って出られる大会ではない」という。当日は渡辺さんが尺八で伴奏も務め、「後ろで聞いていて雰囲気も良かったので、良い賞をもらえるのではとの思いはあった」と話す。
井出さんはもともと歌うことが好きで、平成17年に知人の勧めで昭友会の教室を見学に足を運び、「一発でのめり込んでしまった」と振り返る。「最初はうまく謡えなかった」というが、「渡辺先生の指導のおかげで上達できた」。
民謡の魅力について、「各地方の特色が良く出ているところ」と話す。全国大会で謡ったのは『木曽の山唄』。これまで多くの大会で賞状を獲得してきた、井出さんが得意とする曲という。
渡辺さんは「実力も実績も申し分なく、名取になって後進の指導にあたってもらいたいが…」と話すが、井出さんは「もっと色々な大会に出られるよう練習して腕を磨きたい」と、まだ「学ぶ」側でいたい考えだ。

「昭友会」の渡辺会主(左)と井出さん