佐久市臼田の健康活動サポートセンター「うすだ健康館」は、同館の取り組みの一つ「まちづくり実験室(ラボ)」の一環で、昔話「かさじぞう」を佐久の方言で脚本化し、同館スタッフや地域の人たち約10人で音声を録音した。
「まちづくり実験室」は、集まった人たち同士でアイデアを出し合い、実験的な取り組みを進めながら地域に役立つ活動をしようと、同館が平成28年の開館以来行っている。今回は、4年前に佐久市下越に移住した実験室参加者の齊藤和雄さん(64)が出した、「佐久の方言を日常に取り入れられたら」とのアイデアが発端となった。
昨年9月、まずは佐久の方言にどんなものがあるかを出し合うところから始め、やがて佐久の方言で物語を作る方向へ発展。参加者が人形劇用の「かさじぞう」の脚本を持っており、活用した。方言に直した脚本では、「えれえ風が吹いてきて…」「こんねんまくの雪が…」「勘弁しておくんなんし」「よくだに」など、耳なじみある方言が多数盛り込まれている。
物語は音声のほかにシーンごとの絵もついている。現時点で具体的な活用方法は決めていないが、同館フロアマネージャーの井出美由紀さんは、「地域で行うイベントや会合の際に流すのも一つの案」としている。