佐久市の有形文化財に指定されている前山南の「倉沢薬師堂」で5日、花まつりの祭典が開かれた。
薬師堂は江戸時代中期の明和5年に建立され、平成10年に市の有形文化財に指定されている。本堂の下に秘仏の石造薬師如来立像があり、60年に1度公開。明治時代に神仏分離令が出た後に薬師堂は貞祥寺の管理となった。
花まつりが始まった時期は定かではないが、60年ほど前までは参道に露店が多く並び、地区の一大行事としてにぎやかに行っていたという。現在は周辺の寺院の住職らが法要を行い、集まった人に米粉で作った「やしょうま」をまいている。
昔は子どもたちの遊び場にもなっていた薬師堂。今では訪れる人も少なくなり、老朽化も進んでいることから、前山南区の仁科英孝区長は「祭典を通じて若い世代や子どもたちに関心を持ってもらうことが大切」と話していた。