佐久市長土呂区の神津一族会は、平成元年から30年間会長を務めてきた元佐久市長の神津武士さん(92)が今年7月末で会長を退任するのに合わせ、先祖への感謝の気持ちを込めた石碑を神津家の墓地に建立。彼岸入りの18日、15人の親族が集まって除幕式を行った。
神津家の系図は約400年前の祖先から残っている。武士さんは「この神津家には大した人物がいない」と謙遜するが、江戸時代に長土呂村初代名主を務めた血筋。系図には原則として長土呂区で居を構えている人が載っているという。一族の行事では、毎年1月に岩村田の佐久ホテルで新年会を開いているほか、8月1日に墓そうじを兼ねた先祖まつりを行っている。
武士さんが長年務めた一族会長の職を、元市議の神津史延さん(68)に引き継ぐにあたり石碑建立を計画。碑には、武士さんが詠んだ「汗をかき遂げし祖霊の道をゆく」なる俳句が彫り込まれている。武士さんは「先祖が開いてくれた道を子孫の我々が一生懸命歩いていくという気持ち、またそんな我々を天上から見守ってほしいという願いを込めた」と話す。
今年8月からは神津史延会長のほか、副会長に岩村田小学校長の神津利信さん(61)が就く。史延さんは「武士さんが貴重な財産を残してくれた。今後、墓参りの際などに句碑もしっかり供養していく」と話していた。