佐久市下平尾区でこのほど、同地区で3百年以上にわたって受け継がれている「古念仏講」があった。
地域の男性有志12人が参加。地区の女性たちが用意した食事と酒を味わった後、12人が輪になって長い数珠を持ち、「南無阿弥陀仏」と唱えながら数珠を回す。同区公民館前にある南無一念観心仏石碑には「元禄四年六月十二人結衆」とあり、元禄四年(一六九二年)頃には始まっていたとみられる行事だ。毎年行事の当番を決めて道具の保管などしており、今年の当番は木下肇さんが務めた。
例年11月23日に開いていたが、近年は参加者の都合で時期をずらすこともある。かつては行事の際にその年の新米を振る舞っていたという伝承もあり、現在、行事の前に食事をするのは「その名残ではないか」との見方もある。