小諸市氷区の氷風穴近くにある「氷神社」と「氷室稲荷神社」の氏子総代がこのほど、両社にあった鳥居を新調した。平成6年に一度建て直しており、およそ30年ぶりに鳥居が生まれ変わった。
氷神社は石でできた祠で、背面に「元禄5年」(一六九二年)と彫り込まれているといい、330年以上前から同地に建っているとみられる。氷区では毎年7月に、氷神社のお祭りを開いている。
一方の氷室稲荷神社は、明治7年に風穴へ蚕種を保存する会社が発足して以降に建てられたとみられ、150年近い歴史がある。こちらも、例年4月17日を基準にお祭りを開いているという。
鳥居の建て替えは、それまであった鳥居が老朽化していたことで計画。令和3年に区有林からヒノキを切り出してあったが、コロナ禍などで実施時期が延期されていた。
鳥居の新調に合わせ、13日には竣工の神事を行い、区や神社関係者ら約20人が参加。神社がある氷風穴の維持管理に取り組む保存会事務局の前田重雄さんは、「老朽化した鳥居が万が一にでも倒れて、見学者がけがをしてはいけないとの思いがあった。鳥居も新しくなり、多くの人が安心して風穴の見学ができるようになる」と喜んでいた。