拡大するオオキンケイギク 庭で栽培する人も多数
佐久市内の幹線道路沿いを中心に、オオキンケイギクの花が咲き誇っている。毎年5~7月に美しい黄色い花を咲かせるキク科の植物だ。ところが、その正体はなんと「特定外来植物」。そうとは知らずに、田畑の土手や自宅の庭で大切に“栽培”している人も多い。植えたり種をまくことは外来生物法で禁止されており、「1年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金」という事態にもなりかねず、佐久市は「多くの市民に存在を知ってもらい、合わせて駆除の協力を」と呼びかけている。
昭和50年代に大量に輸入され、高速道路ののり面などに植栽されてきた。高温や乾燥に強く、きれいな花を咲かせることから、農地の草は刈ってもオオキンケイギクだけは残したり、自宅の庭に移植して楽しむ人もいるという。佐久市内では国道141号、142号線沿いが分布の中心で、現在は根絶が困難な分布拡大期に入っている。
佐久市環境部の佐藤治部長は、「在来種をはじめ地域の自然環境に大きな影響を与える可能性がある。市外への広がることのないよう、地区の行事に合わせて駆除活動の協力を呼びかけていきたい」と話す。市内の実態を調査した総合環境研究所=松本市=の竹田正博さんは、「今後は一層の監視と駆除を進める必要がある」と指摘。身近な場所に入り込んでいるオオキンケイギクの早期発見、早期駆除を勧めている。