佐久市観音寺区の歴史を後世に伝えようと、有志がこのほど「美しきふるさと観音寺」を刊行した。
同区は、江戸時代初期の承応2年(一六五三年)に開発された観音寺新田村に由来するといわれる。それだけに農業用水路の確保や昭和30年代の分町騒動といった先人の苦労や歴史など話題は多い。
現在、戸数は60戸余で、この地区に魅力を感じ、定年後に移住してきた人も多くいる。
そこで、区の歴史を学び、誇りを持つことで地域を見つめ直そうと、「故郷の歴史を編む」編集委員会(相良茂久委員長)を発足させ、1年がかりでまとめてきた。
冊子はA4版100頁でオールカラー。200部印刷した。各戸に配ったほか、市内すべての公民館にも送った。内容は古い文献からひもといた歴史を年表にしたほか、分町騒動などは当時の写真を添えて紹介。また、区民から集めた行事などの写真や寄稿も掲載している。
発行に当たっては、県の地域発元気づくり支援金や、佐久市の駒の里過疎対策プロジェクト支援金を活用した。
相良委員長(90)は「子どもや孫の代が大人になった時、住んでいる地区の歴史を知るための教科書になる。とても良いものができたと思う」と喜んでいる。