ワナに掛かったニホンジカを食い荒らすケースは例年1件あるかどうか。それが今年は天池や高峰などで3件も発生している。柔らかい尻の部分を食いちぎったり、中には足だけが残っていたような例も。野生鳥獣対策実施隊の一人は「シカがワナに掛かるのを待って襲っているようだ」と推測する。
佐久市では内山地区でこの5月にシカ用のワナにクマが掛かった。市の内山や田口などで生息が確認されており、年に数回は通報がある。農作物への被害は報告されていないが、近くのスモモをクマが食べているといった報告を受け、カメラを設置して調査したこともある。
また、5月8日には高峰高原へ続くチェリーパークラインで、道沿いの木に登っている子グマを、車から降りて撮影している県外ナンバーのドライバーがいた。小諸市役所の竹下毅・鳥獣専門員は「子グマがいる時は、近くに親がいる可能性が高く、非常に危険な行為」と警告する。
クマの被害を避けるためには、ラジオや鈴など音を出して人の存在を認識させて遭遇を避けるのが一番だが、万が一出合った時は、クマを刺激しないようにしてゆっくり後ずさって離れるのが良いという。