佐久市の野沢保育園(並木敏貴園長)で、左官職人だった高橋正道さん(82)=佐久市原=が漆喰を鏝(こて)で立体的に描く技法で制作した「漆喰鏝絵」を展示している。
作品は野沢保育園の全景を写真ではなく別の形で残したいと園から依頼を受け、5カ月以上かけて制作。タイトルは「桜の花の下の砂場で遊ぶ」。保育園が立体的に描かれているほか、砂場で遊ぶ子どもや職員の人形を配置した。作品の大きさは縦180㌢、横110㌢。第35回佐久平の美術展の立体造形部門で優秀賞を受けた作品だ。
高橋さんは写真を見たり、何度も園に足を運んでおり「細かい作業なので時間が掛かったが、子どもたちの元気な姿は活力になった。作品は寄付したいと考えている」と話していた。
同園は一昨年までは年に1回、近代美術館へ遠足に行っており、並木園長は「バスを使った移動ができない中、美術作品を園内で見られるのはありがたい。身近な題材で関心も高く、子どもたちの感性を養うのにピッタリ」と喜ぶ。子どもたちは、作品の砂場の模様を見て「実際の砂場にいるアリみたい」と楽しんでいた。