佐久地域伝統の「うちおり(家織り・内織り)」や機織りの文化の伝承をねらいに活動する「佐久市むかしの機織りと女性の暮らし研究会」が24日、発足した。
佐久地域では江戸時代末期から昭和初期頃まで農家の女性の手によって織られていた「うちおり」は、売り物にならない「くずまゆ」から取った絹糸や木綿糸などを使って家族のために織ったもの。同会代表で、長年佐久地域の機織り文化を伝える活動を続けている岩崎泰治さん(64)は、「機織りやうちおりについて知る人は今や90歳以上の高齢。存命のうちに聞き取りをして、その技術を次代に受け継ぎ、保存、継承したい」と意気込む。「佐久のうちおりは、現代の名工と呼ばれる人にも匹敵するような技術の高いもの。非常に繊細な織に垣間見える女性の誇りや家族のために織り込んだ温かな思いも伝えていきたい」。
活動拠点は佐久市内山の「伝泊の宿つたや」。同会はまず、うちおり着物や機織りの佐久市有形民俗文化財への登録を目指して活動する。「自宅に眠っているうちおり着物があればぜひ見せてほしい」と呼び掛けており、6日(日)から8日(火)日まで同宿を開放。岩崎代表も常駐しており、「可能なら、うちおり着物について知るおばあちゃんにも来て頂き、着物を見せてもらいながら聞き取りもしたい」としている。問い合わせは岩崎代表(電話090・8328・0587)。