「農村の技術を伝えたい」
地元文化財保存会が企画
佐久市の有形文化財に指定されている旧大沢小で4日、今ではすっかりめずらしくなったわら細工の実演が行われ、訪れた人たちの関心を集めた。
地元有志で作る「大沢地区文化財保存会」(永井一男会長)が、3日から5日まで開いた旧大沢小の一般公開に合わせて行った。同校にはかつて地域で使われていた農機具が展示されているが、「それを使うこともなくなり、使える人も減っている」ことから農村に残る技術を実際に見てもらおうと企画した。
わら細工は、蚕が繭を作る時の足場になる「蔟(まぶし)」やわら草履、米俵の3種類で、地元のお年寄り3人が編んだ。実演した赤羽根巻男さん(81)は「久しぶりに作ったが、体がやり方を覚えていた」と手慣れた様子。見学した地元のお年寄りは「子どもの頃に手伝ったことを思い出した」と、懐かしそうに見つめていた。
永井会長は「校舎内に古い大鋸が残っているので、来年以降は実際に木から板をひくところを公開したい」と考えている。