耐震工事の未実施問題で解体が決まった小諸市野岸小の南校舎(旧管理棟)の一般公開は15日に開き、同校舎で生活した経験のある卒業生を中心に約260人が足を運び、当時の思い出話に花を咲かせるなどした。

解体されることが決まって以降、「最後に校舎を見ておきたい」という要望が多くあったことをきっかけに計画。参加したのは卒業したばかりの中学生から、50年超前の校舎完成時に児童だった高齢者まで様々。中には「自分が6年の時に建設していて、新校舎で授業を受けることなく卒業してしまった」という人もいた。
現在中学2年で、小学生時代は同級生だった井出穂乃花さん、小山華子さん、露崎楓さん、皆川恵里佳さんの4人組は、同校在学中の兄弟を通じて見学会を知って参加。小学校生活はまだ記憶に新しい世代だが、教室の窓から見える景色やロッカー、黒板に書かれた文字などを見て当時を懐かしみ、「寂しさもあるが、最後に見に来られて良かった」と口をそろえた。
野岸小の耐震工事が行われていないことが分かったのは一昨年末。その後、校庭だった部分に仮設校舎が完成し、昨年7月から授業が始まった。校庭に仮設校舎を整備したことで、子どもセンター「こもロッジ」などがある「野岸の丘」に仮設グラウンドを整備している。
南校舎の解体は間もなく始まる予定。新しい校舎の完成は平成30年度中の予定で、仮設校舎からの引っ越しや仮設校舎の撤去、それに伴う校庭の再整備を行い、平成31年4月から新校舎での生活が始まる。

こ・野岸小公開(見学するOB)

学んだ教室で思い出話に花を咲かせる中学生

こ・野岸小公開(廊下を歩く

子ども連れで訪れ、母校を懐かしむOBもいた

こ・野岸小公開(外観)

解体が決まった野岸小南校舎。新しい校舎は平成30年度中に完成予定