5人の顔ぶれが出そろったことで、これまで様子を伺っていた市議の支援対応が本格化しそうだ。地域や血縁などに深く関係する無所属議員をはじめ、党派の推薦の有無も注目される。

前回選は、候補者の掲げる大型事業の進め方に対して真っ二つに割れた市議会だが、「争点が見えにくい」とされる今回は、一部を除き旗色を鮮明にできない状況が続いてきた。そうこうしているうちに後援組織や地域の支持が割れてしまい、「既に地域や団体が虫食い状態になっている」「自分の後援組織への影響を考えると、支援したい人を特定できない」と困惑し、「動きたくても動けない」事情を抱える議員も少なくない。
また、前回選で芹沢勤前市長や柳田剛彦市長を支援した議員からは「現職が大型事業に対する公約を翻したことで、どちらを支援した側も『もうこりごり』と感じている」という声も漏れてくる。
こうした状況から、現在までに旗色を鮮明にしているのは、19人の議員のうち半分にも達していない。
一方の党派は、共産党系の「市民の会」が既に出馬表明者全員の考えを聞き、支援者の絞り込みに入っている。民主系の連合長野佐久地協には一部の推薦依頼があり、今後選定作業に入る。前回、芹沢前市長を推薦した公明党は自主投票を決めているほか、2月20日に組織を再構築したばかりの自民党小諸支部は、今後方針を決める考えだ。
芹沢氏が政治団体を発足
前市長の芹沢勤氏(75)=与良=が、政治団体「努力して希望を実現する会」を発足した。会長は元市議会議長の塩川重治さん(85)=与良=、副会長は元市議の柳沢乃ぶ子さん(76)=滝原=。今後作成するマニフェストを発信していく。
26日に開いた記者会見では、一旦は断念していた出馬理由について、「コンパクトシティ構想の具体的な中身の構築や、市役所幹部職員の不在などあまりにも心配な状況が重なり、思い直した」と説明。「市長をやっても1期限り」とし、「私よりもずっと立派な人を後継者として整えたい」との考えを示した。
政治団体の事務所は、与良2―9―10の自宅(電話0267・23・5100)。

小泉氏が事務所開き
小泉俊博氏(52)=谷地原=の後援会事務所開きは26日行い、約百人が集まった。
小泉氏は、12年前の市長選で芹沢勤前市長に348票の僅差で敗れたが、「12年間、くやしく苦しい思いを抱えながら小諸市政を見てきた」とし、「色々なしがらみが複雑に交錯している中、お願いだけでは小諸は変わらない。ミニ集会や後援会報などを通して政策を発信していきたい」とした。また、幹部職員の退職が相次ぐ市役所改革は、「民間出身である私にしかできない」とアピール。「市民が責任を持って市政に参加する小諸のリーダーに私を送り込んでほしい」と訴えた。
後援会事務所は、和田869―1のすし店跡。電話0267・31・5562。