鎌倉時代の「石灯篭蓋」や、地区の若者が遊んだ「力石」など、古くから地元に伝わる遺物が置かれている小諸市諸区の公民館前。道路拡張などで村中の宝物がここに集められて半世紀になるという。同区公民館(荻原洋二郎館長)がこのほど、時間の経過と共に読みづらくなった看板や、設置場所の整備を行った。
公民館前に置かれている遺物は、地元に伝わる「諸の七不思議」にも登場する「鳴石橋駒ノ爪」など7つ。館長の荻原さん(75)によると、「先輩たちがせっかく残してくれた宝物。以前から整備しようと考えていたが、ようやく着手できた」と喜ぶ。
それぞれの遺物を説明する看板も朽ちていた。「この宝物を伝え残す子どもたちを導く重要な存在」だったが、小学生から「読みづらい」という声もあがっていたという。これも、地元のカービングアーティスト・饗場良男さんがデザインを一新して作り直した。
荻原さんは、「先人から受け継いだバトンを後世に渡す仕事を、同じ思いの有志とできたことに感謝。さっそく区民の皆さんに見てもらうよう呼び掛けたい」と話している。