小諸市鶴巻の料亭「音羽」は、昨年末からウエディング事業を本格的にスタートさせた。料亭ならではのきめ細かな料理を楽しめる小中規模の挙式需要を見込み、責任者の朝倉修兵さん(35)は、「歴史や文化が豊かな小諸らしさを生かしたスタイルの挙式を提供していきたい」と意欲を見せている。
朝倉さんが独自に昨今のウエディング事情を調べたところ、多くの新郎新婦が「おいしい料理で客をもてなしたい」と考えていることや、数十人程度の小規模挙式を行うケースが多い実態が分かったといい、「料亭の形式を生かせると考えた」と朝倉さん。
事業開始に向け、今年で創業100年を迎える同店らしく、店内を大正ムード漂う和風なテイストに改装。「洋式の多い軽井沢に対し、『和の小諸』をアピールしたい」とする。また、「軽井沢での挙式件数は、多い時で年間6千件とも言われる。この1%でも呼び込めれば」。また、ウエディング事業のために専属のプランナーも1人配置した。
朝倉さんが考える将来像は、「市内の様々な業界がかかわって、小諸全体で挙式を受け入れる形」で、近く同業者などと協会の設立も予定している。「目指す将来像に向けて、まず自分たちの実績が必要。(ウエディング事業本格スタートで)そのための第1歩を踏み出せたという思い」。ちなみに、現在すでに2組の挙式を受注しており、今後は年間50組前後の受注を目指すという。

同店の100畳敷きの広間