佐久市田口小(井出誠一校長)で15日、同校伝統の「田口峠マラソン」があった。来年4月の臼田地区新小学校開校に伴い今年度で閉校する記念行事の一環で、今回で最後。力走する3~6年の児童たちの姿を、保護者や地域住民らが見守った。
大正13年に強行遠足として始まり、今年で99年目となる歴史ある行事。五稜郭内にある同校を出発し、田口峠までの12・2㌔を走る。一時期中断していたこともあったが、40年以上前からは峠マラソンとして続けてきた。
この日は、閉校記念事業ということもあって、PTAや地域住民など100人を超える人たちがボランティアで参加。コース途中に給水所を設けたり、沿道で声援を送るなどして児童をサポートした。同校卒業生で、在校当時6位になったことがあるという芳賀好弘さん(53)は、「学校内で一番と言っていい大きな行事」と振り返り、力いっぱい走る児童たちを見て、「統合で学校はなくなるが、新しい学校でもぜひ続けてほしい」と話していた。

消防団が放水する中、同校校庭を出発する児童たち