「12年後にお届けします」―。佐久市猿久保の「浅間佐久自動車学校」(室作和宏代表)は、学校向かいの「佐久幼稚園」の年長園児が「将来の夢」をテーマに描いた絵を園児が18歳になる12年後に本人へ届ける取り組みを長年続けている。
同校は毎年、同園の年長園児を招いて交通安全教室を開講。その際に、園児が描いた絵を入れたタイムカプセルを学校敷地内に埋めて、12年後に掘り起こしている。「将来の夢に向かい、様々な進路へと踏み出す人生の節目を迎えるのが18歳。絵を見て初心にかえりつつ、当時を懐かしんでほしい」と、掘り起こされた絵はすぐに本人宛てに郵送で返却している。ちなみに、昨年は約120枚の絵が本人に届けられた。
絵の裏面に記入してもらった氏名と住所宛てに返却を行っているが、「住所変更で本人の手元に渡らないケースもある」と同校の室作和宏代表(38)。返却が叶わなかった絵は同校で保管。校内に「該当者は申し出て」との貼り紙をしており、「たまたま運転免許講習に来ていた卒園生に直接手渡される事もある」とか。「思いがけない絵との再会に照れながらも喜んでくれます」。
年長園児対象の交通安全教室はコロナの影響でここ数年は企画できていない状況。「今年は開けるといい」と期待しながら、「この事業を学校の伝統として今後も守っていきたい」としている。
問い合わせは同校(電話0267・67・3371)。

サッカー選手やアニメのキャラクターなど、園児たちが描いた「将来の夢」の絵

年長園児を招いて例年開いていた交通安全教室。ここ数年はコロナの影響で開けていない