佐久市新子田の「信武館小平道場」の創設者で、令和3年に105歳で亡くなった小平初郎さんが始めた「小平杯東信地区中学校剣道錬成大会」の第50回大会は4日、佐久市猿久保の佐久創造館で開いた。初郎さんの逝去やコロナ禍での中止が続いていたが、「小平先生の遺志を継ぐ」と、門下生らが実行委員会を作って4年ぶりに再開した。
錬成大会は、初郎さんが信武館小平道場を開設した昭和48年から自費で運営。「礼儀作法を学び祖先に感謝する」「心身を鍛錬し勉学に励む」「信頼に足る人物となり社会のために働く」という道場訓にのっとった大会で、「剣道を通じて立派な社会人になってほしい」という初郎さんの願いが込められた大会だ。
50回目となる今大会には、東信地区から男子14校、女子11校が参加。また、試合前には井出智子さん(教士7段)と土屋理紗さん(錬士7段)による形の演武公開もあった。
大会を主催した信武館小平道場の道場主で、初郎さんの長男の小平和盛さんは、「多くの人が父の思いを継いで大会を継続し、当日も運営に尽力してくれたのがうれしい」と再開を喜びながら、白熱した試合を見せる子どもたちの姿に目を細めていた。