魚の飼料などを生産販売する「マルイ産業」(伊藤賢治郎社長)で29日、外国人研修者が施設を見学し、飼料の成分や加工技術を学んだ。
この取り組みはジャイカ(国際協力機構)が行っている川や湖などで小規模の養殖を行う「小規模内水面養殖」の研修の一環で、委託を受けた一般財団法人「マリノフォーラム21」が運営。今回3日間の日程で、ジャマイカやガーナ、フィリピンなど10カ国から20~40代の公務員など10人が参加。同事業所のほか、県水産試験場や佐久養殖業組合、佐久市原の魚甲などにも訪問した。
マルイ産業では、アクア事業部の下崎眞澄部長が講師を務め、座学で飼料の組成から作り方を学んだ後、工場を見ながらの解説を受けた。大型の粉砕機やペレットへの加工機、自動仕分けロボットアームなども一通り見学。研修に参加したジャマイカの農業水産省職員のネディアさん(38)は「ジャマイカではティラピアという淡水魚の消費が多い。魚を飼育するためのえさを作る業者は国内で1事業所のみなので、学んだことを生かし参入業者を増やしていきたい」と話す。工場では、人力なら3人がかりの作業をロボットアームで対応しているが、「ロボットを導入した分人員をカットするのでなく雇用は続けていることに驚いたし、感激した」といった声もあった。
マルイ産業では毎年こうした研修者を受け入れており、「特段の企業秘密もないので、技術を伝えたそれぞれの国で役立ててほしい」と伊藤辰治会長。