佐久市の野沢小学校(石川政好校長)は5日、秋の恒例行事「イナゴとり集会」を開いた。5百人を超える全校児童が、郷土食でもある「イナゴ」を捕まえながら交流を深める試みで、今年の収穫量は「昨年の3分の1程度」という1・1㌔だった。
児童会主催の活動で、学年縦割のグループでイナゴを捕りながら交流を深めたり、地域を愛する気持ちを育てることをねらいに毎年実施。同校によると、昭和58年には「イナゴとり集会」の名前で行っており「少なくとも40年以上前から続く伝統行事」という。
子どもたちは、畔の草の間をかき分けながら真剣な表情でイナゴを探し「見つけた!」と大はしゃぎ。3年生の三井柚菜さんは、「捕まえるのは楽しかった」としながら、「だけど食べるのはちょっとイヤ…」と苦笑い。
同校の土屋晋教頭は「地域の人の協力のおかげで長年続けてこられた」と感謝。収穫したイナゴは、担当の6年2組の児童が農協職員の指導も仰ぎながらその日のうちに佃煮に調理。地域のスーパーで販売した。収益はこれまで、児童会の活動費や被災地への寄付などに充てており、「今年の使い道は検討したい」としている。